足ムズムズ症候群の原因・症状と治療法

症状と治療

 

「足ムズムズ症候群」では、一種独特な苦しさで悩む事になります。「脚の中に手を突っ込んで、かき回したい」というような独特な表現をする患者もいます。ムズムズする不快感などの異常感覚なので、いつも脚や身体を動かしていなければならない状況になります。

 

この疾患の約30%の患者は、中等症~重症の症状が1週間に2回以上起こります。症状が特にひどくなるのは夕方~夜間にかけてということで、入眠障害、熟睡障害、中途覚醒などの睡眠障害がよく起こります。人によっては昼間でも座ったままのじっとした姿勢が続けられなので、一般的社会活動も阻害されてしまい、日常生活にも大きな影響が出ます。

 

そうなると、副次的症状として昼間の疲労感はかなり大きなものになってしまいます。そこで、睡眠障害を専門とする精神科医、神経内科医の診断を早期に受けた方がいいのです。

 

「足ムズムズ症候群」の治療薬となっているのがドーパミン機能の促進剤です。この疾患独特の異常感覚は、薬物治療で軽快する場合が多ようです。ドーパミン機能とは「L-DOPA製剤」や「ドーパミン受容体刺激薬」であり、これらが効果的であると、これまでの研究、臨床経験からも確認されています。

 

抗けいれん薬は「クロナゼパム」、「バルプロ酸」などで、血中フェリチン濃度が50ng/mL以下の人の場合は、鉄剤を処方してもらうと症状が改善することが多いようです、鉄欠乏状態はでない人が鉄剤の服用をすると副作用があるので、自己判断での鉄剤服用は避けてください。

 

人によっては、睡眠導入剤(サイレース)、抗うつ薬を処方される場合もあるのですが、眠気だけがどんどん強くなって、ムズムズ感が解消されず、かえって症状を悪化させることもあるようです。

 

しかし、2010年1月から「ビ・シフロール」というパーキンソン病治療薬の保険適用が日本国内でも承認され、更に、中等度~高度の症例用のレグナイト錠も、アステラス製薬で2012年1月から販売が開始され、次第に治療薬は進化しているようです。

 


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