足ムズムズ症候群の診断
「足ムズムズ症候群」の診断という事ですが、何よりこの疾患の場合には強い自覚症状があるのが大きな特徴です。ところが前述のとおり、社会的認知度がかなり低い疾患なので、まずは患者が睡眠障害を訴えて受診することになってしまい、そのために診断を内科、精神科、心療内科などで受けるようになってしまうのです。
これらの診療科では医師の間でまだまだこの疾患の認知度が高くなく、その結果、疾患が見逃されやすいのです。結局たらい回しにされてしまう不幸な人もいます。
症状がわかりやすいのはじっと動かないような姿勢にしている状態です。主に下肢部分の「ムズムズする感じ」です。そして、そのためにじっとしていることがどうにもできない状態になります。これに痒みの症状も加わってきます。
その他の感覚としては、人によって表現はいろいろですが、「先のとがった物で肌をなぞられている感覚」、「針でチクリと刺されたような感覚」、「火照るような感覚」、「虫のようなものが肌を這いまわっている感覚」など、どれもこの疾患ならではの独特・異様な感覚となります。
病名からすれば症状が出るのは、脚だけのように思われがちですが、そもそも病気の根源が下肢ということではなく、中枢神経系にあると考えられているのです。そのため、人によっては、症状の出る範囲が下肢に加え、腰~背中、腕や手など、全身にわたってムズムズする不快な症状が現れることも少なくないのです。
全身に症状があるのに、脚だけ症状がないという人の場合でも、「足ムズムズ症候群」かもしれません。いずれにしても、症状が悪化によって過度のストレスがかかると「うつ病」になってしまう場合もあります。そうなってしまう前に睡眠障害を専門とする精神科医、神経内科医の診断を受けるようにしたいものです。